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講演会シリーズ「〈山の民〉の行方―ぼくらは何を失ったのか―」

〈山の民〉の行方―ぼくらは何を失ったのか―

高畑勲監督のアニメーション映画『かぐや姫の物語』には、非所有の象徴として木地師集団が登場し、富や宮廷、貴族と対置されて重要な役割を果たします。

彼らのように山林から得るものを生業とする〈山の民〉は、いわば平地の稲作民より古い歴史を有するはずですが、一方では、平地の人びとにとってなくてはならない交換の相手でありながら、また一方では、怪物のようなイメージを付与され差別・排斥されてきました。山林の奥地にまで広域権力が浸透する近世、そして農村共同体自体が崩壊してゆく近代。

山人に列島の原住民を追い求めた日本民俗学の創始者柳田国男や、東北農村の惨状に抗いつつ幻想的な詩文を著した宮澤賢治の作品には、滅びゆく〈山の民〉のありさまを垣間見ることができます。彼らを消し去った近代とは、いかなる時代だったのか。あるいは、彼らは本当に〈消え去った〉といえるのだろうか。

近代を通じて抑圧されてゆく多様なマイノリティの姿、いま劇的に変貌しつつある東京の姿も瞥見しつつ、〈山の民〉の喪失がわれわれにとっていかなる意味を持つのか、考えてみたいと思っています。


■講 師 北條勝貴(上智大学文学部教授


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講演会シリーズ 第二弾「風のアニミズム:映画『風の谷のナウシカ』を考える」/講師:奥野克巳(立教大学異文化コミュニケーション学部教授)


<お申し込み>
7月24日(水)9:00 より先着受付開始

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講師プロフィール
北條勝貴(上智大学文学部教授)1970年、神奈川県生まれ、専門は歴史学、東アジア環境文化史。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。主な著書:『環境と心性の文化史』上下(共編著、2003年)、『ケガレの文化史』(共著、2005年)、『日本災害史』(共著、2006年)、『寺院縁起の古層』(共編著、2015年)、『歴史を学ぶ人々のために』(共著、2018年)、『パブリック・ヒストリーの可能性』(共編著、2019年)、『いまを診る—臨床歴史学の試み—』(共編著、2019年)など。

・その他の事項については、「講座のお申し込みに関する注意事項」をご確認ください。

講座実施日 11月10日(日)
時間 14:00-16:00
会場 ウェスタ川越3階 男女共同参画推進施設 研修室2・3
回数 全1回
受講料 500円
定員 30名
  • 講演会シリーズ「〈山の民〉の行方―ぼくらは何を失ったのか―」
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電話 049-249-1186
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